競馬の折り合いという言葉ですが、簡単に言うと騎手と競走馬の呼吸が合っているかどうか、つまり騎手の意思どおりに馬がコントロールできているかという意味で使われてます。
騎手は後半に走力を温存したいのに、制御が利かずに前半から全力で走りたがるというのが一般的に見られる「折り合いがつかない」と言われる事象ですね。
この騎手と競走馬の折り合いは、馬券予想の上でも重要なファクターになってきますから、この記事では競馬の折り合いについてまとめて見ました。
競馬の折り合いとは
競馬の折り合いという言葉は、「折り合いがつく」、あるいは「折り合いがつかない」、という使われ方をしますが、先述したとおり騎手が馬を制御できているかどうかの状態を表すときに使われます。
騎手の指示通りに馬が走っている状態は、騎手と馬の呼吸が合っているとも表現できますし、「人馬一体」という言葉がまさに当てはまると思います。
一般的に折り合いがつくという状態は、力をセーブした状態でレースの流れに乗れている状態を指す場合が多いです。
逆に騎手が抑えているのに馬が行きたがってしまう状態を折り合いがつかない、あるいは「かかる」や「引っかかる」という表現することもあります。
「行きたがる」というのも同様の意味ですね。
レースのスタートから全力で走っていては最後までスタミナが持たないですし、そうかといってレースの流れに乗れずに位置取りを悪くしてしまったら余力を残したままレースが終わってしまいます。
このように折り合いの良し悪しで、レースで能力を発揮できできるかどうかに差が出てきますから、折り合いがつくかどうかはレース結果に大きな影響を与える要素といえます。
折り合いがつきにくい馬
折り合いの良し悪しには当然個体差がありますが、一般的に折り合いがつきにくい馬というのは「気性が悪い」馬が多いようです。
競走馬の気性に関しては別記事でまとめていますので参考にしてほしいですが、
気性の悪い馬=人間のいうことをきかない馬
というふうに考えると、騎手のコントロールが利かないというのも理解できると思います。
実際には馬といっても人間と同じく、性格や性質は千差万別でしょうから、ただ単に気性が悪い馬は折り合いがつかないと考えるのは乱暴ですが、傾向としてあるのは間違いないと思います。
ちなみにおなじコントロールが利かないという意味で、いくら促しても全力で走ろうとしない馬がいますが、こういう馬は「ズブい」とか、「ズブい馬」と呼ばれ、折り合いがつかないとは言われません。
折り合いがつききやすいレース
折り合いがつきやすいレースとしては、短距離戦が上げられます。
長距離のレースほどスタミナの消費を気にする必要がないという理由からですが、折り合いがつきやすいと言うよりは、抑える必要がないともいえるでしょう。
中長距離戦で折り合いのつかない馬が、短距離戦に出走して好走するというのはよくあることですし、芝からダートに変わって折り合いが良くなる馬もいます。
折り合いを良くする方法
競馬関係者でもない私が折り合いを良くする方法など語るのはおこがましいですが、行われているであろう施策をまとめます。
・調教
牧場での馴致や育成も含まれますが、サラブレッドは早い段階で人間の指示を理解し、実行できるように調教されていきます。
競走馬となり厩舎に入厩してからも、競争能力を上げる肉体的なトレーニングとあわせて、折り合いを良くするための調教も行われることでしょう。
・馬具の工夫
騎手は手綱により馬をコントロールするわけですが、馬の口に装着する「ハミ」とよばれる馬具を介して手綱を取り付けています。
このハミを通じて馬を御すことになりますが、ハミにはリングハミやDハミなど、多くの種類があります。
これらのハミを工夫することで、騎乗者と馬との意思疎通が改善され、折り合いがつきやすくなることがあるようです。
またブリンカーやシャドーロールなどの馬具を装着することにより、競争でのパフォーマンスが上がる馬も多数いますから、馬具の装着や交換の情報は馬券予想の際にチェックしたい項目です。
・騎手変更
騎手には当然技術の巧拙があって、簡単に言うと上手い騎手とそうでない騎手がいますが、そのなかでも折り合いをつけるのが上手い騎手というのがいます。
「当たりが柔らかい騎手」などといわれることもありますが、並みの騎手なら折り合いがつかない馬を、うまくなだめながら能力を発揮させることに長けた騎手のことです。
やっぱり代表格は武豊騎手ですかね。
かかり癖のある馬を騎手の技量で折り合わせる事が出来れば、レースで能力を発揮できるわけですから、騎手を変更することも折り合わせるための一つの方法と言えるでしょう。
騎手と馬には相性もありますから、そのあたりのデータもチェックしておくと馬券検討に役立つと思います。
まとめ
競馬の折り合いについてまとめましたが、折り合いがつかないことで競争に悪影響を及ぼすことは間違いありません。
そして折り合いの良し悪しは競争馬により個体差があるということは覚えておきたいです。
そうはいっても折り合いがつかない=競争能力が低いというわけではなく、あくまで騎手がコントロールできるかどうかであって、折り合いがつかないのは馬に走りたい気持ちが強いとも言えます。
考え方によっては走ることに前向きであると捉えられますから、折り合いがついた際にはレースで好結果が期待できる馬もいるでしょう。
先述した馬具や騎手変更などの情報から、当該レースで折り合いが付きそうかどうかを考えるのも馬券予想の上で必要ですね。
あとは距離短縮やダート替わりなどの際も注意が必要と思います。
個人的に、予想ファクターとして折り合い面を考慮することは重要視していないんですが、騎手の折り合わせる技術の巧拙は意識しています。
この馬にこの騎手が乗ってきたら面白い、と思わせる組み合わせもありますし、単純に能力を比較する以外の馬券の組み立てとして面白いと思いますけどね。