競馬でいう当歳馬とは?
サラブレッド年齢は生まれた年が0歳で、1月1日を越えるごとに1歳加齢します。
当歳馬というのはその年に生まれた0歳馬のことです。
当歳馬という呼び方以外に「とねっこ」という呼び方もありますが、一般の競馬ファンではなく牧場で主に使われる呼び方です。
競馬では生産やセリ市など、さまざまな場面で当歳馬という言葉が使われますが、この記事では競走馬の年齢表記や、当歳馬という言葉の使い方についてまとめてみたいと思います。
サラブレッドの年齢(馬齢)
北半球産のサラブレッドの年齢(以下馬齢)は、先述したように生まれた年が0歳、その後1月1日を越えるごとに1歳加齢していきます。
南半球のオーストラリアでは加齢時期が8月1日であったり、香港では馬齢表記は生産国の換算馬齢に準ずるなど、馬齢に関しては地域によってルールが異なっています。
サラブレッドは繁殖はほぼ1年が1サイクル(妊娠期間が約11ヶ月)で、ほとんどが春先に出生します。
仮にレースの年齢条件に満年齢を使用した場合、ほぼ1年近い年齢差がある競走馬が同年齢の限定レースに出走する可能性もあるので、この加齢方法が合理的とされています。
南半球産は北半球産よりも、約半年遅く生まれることになりますから、日本で馬齢別の限定戦に出走する場合は斤量にハンデが付くのは同様の理由からになります。
日本では以前、馬齢を数え年(生まれ年が1歳)で表記していましたが、2000年より国際的に標準である現在の表記方法になりました。
当歳馬という言葉の使い方
まず我々一般の競馬ファンが当歳馬という言葉を使う機会は少ないと思うんですが、
「繁殖牝馬名+当歳馬」
などはよく目にするんではないでしょうか。
たとえばキタサンブラックの母親である「シュガーハートの当歳馬」などですね。
サラブレッドは出生してすぐに馬名登録されることはなく、牧場で便宜上の名前をつけられることはあっても一般的に紹介される場合には
「繁殖牝馬名+西暦」
で表されることがほとんどです。
シュガーハートの2018などですが、場合によってはこの西暦の部分が「当歳馬」、あるいは「当歳」と表現される場合があります。
当然1月1日を越えてしまえばこの呼び方はされないのですが、その年に生まれたサラブレッドを、繁殖牝馬+当歳馬と呼ぶ場合があるということを知っておきましょう。
また、このほかで当歳馬という言葉が使われるものに「セリ市」があります。
セレクトセールというセリ市では、毎年多くの当歳馬が上場され、高額で取引された馬はニュースなども話題になるため、この「当歳セリ」という言葉もよく使われます。
セリ市の詳細については別記事でまとめますが、当歳馬でも数億円以上の価格で取引されるサラブレッドがいることには驚きを隠せません。
ちなみに過去最高額は2006年のセレクトセールで落札されたディナシー(トゥザヴィクトリー の2006)の6億3000万円です。
当歳馬の能力比較について
先述したセリにも関わることですが、生まれたばかりの当歳馬の能力は、どうやって判断するのでしょうか?
セリ市の価格が能力に比例するとは限りませんが、やはり第一に血統の良し悪しが評価されるのだと感じます。
ある程度成長してきた1歳馬のセリであれば体型や馬格なども判断材料になるでしょうし、トレーニングセールならば実際に走る姿を見れるわけですから、判断基準になる情報も増えるでしょう。
しかし当歳馬の場合は、今後どのような成長を遂げるかは未知数の状態で判断するわけですから、高額でセリ落とすことは相当のリスクが伴います。
実際に歴代の高額で落札された馬が、必ずしも活躍しているわけではないですからね。
それでも毎年、億を超える金額で落札される馬が多数いるわけですから、一部の富裕層が馬主になってくれることで、馬産が成り立っているということも否定できません。
まとめ
競馬の当歳馬について、年齢表記や言葉の使い方についてまとめてみましたが、馬券を楽しむことがメインの競馬ファンにはあまり興味の無い内容かもしれません。
当歳馬のレースはないですからね。
しかし、競馬の楽しみは馬券だけではありませんし、血統背景や兄弟、近親馬のチェックなどに興味を持つと、当歳馬という言葉は結構使うようになってきます。
当歳馬という言葉の意味自体は、競馬ファンならば理解しておいたほうが良いでしょう。
POG(ペーパーオーナーゲーム)を楽しむような競馬ファンならば、当歳馬の情報は欠かせないものになるでしょう。
血統や馬主、どの厩舎に入厩する予定なのかを把握することは、後々実際に競争をするようになった段階で馬券的にも好影響があるかもしれません。
個人的には馬券ありきのスタンスですから、当歳馬の情報はそれほど気にすることはないんですが、やっぱり好きな馬の兄弟だとか、血統的に気になる馬の情報は当歳の頃からチェックする事もあります。
そういう馬がレースに出てきて馬券を買うというのも競馬の醍醐味ですし、馬券が的中したときの喜びは格別ですからね。