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競争馬の年齢について。負担重量や能力の関係を考察する

競走馬の年齢は馬齢と呼び、生まれた年が0歳になります。日本で生まれた馬の場合は生まれた年が0歳で、1月1日を超えるごとに年齢が1歳加算されていきます。

南半球生まれの馬の場合などは繁殖期が違いますし、出生国ごとにルールも違いますから加齢時期も異なっています。

実際の競馬では、馬齢によって出走できるレースが違ったり、負担重量(斤量)が変わったりということもあり、予想をする上で把握しておいたほうが良い点が多くあります。

それらを踏まえて、この記事では競走馬の年齢についていろいろな角度からまとめてみました。

競争馬の年齢は人間に換算すると?

サラブレッドの年齢を人間に換算する方法ですが、馬齢に1を足して4倍するのが一般的のようです。馬齢に1を足すというのは数え年を4倍するのとイコールですね。

人間とは違う生物を、単純に掛け算で年齢換算するというのはいささか乱暴ですが、サラブレッドの平均寿命が25歳程度と言われていることから、当たらずとも遠からずという認識で良いでしょう。

但し、人間の感覚で年齢と能力を判断するのは間違っていると思います。

競走馬のデビューまで

日本のサラブレッドは春に繁殖期を迎えます。妊娠期間は11ヶ月程度ですので、ほとんどのサラブレッドが春に生まれることになります。

翌年1月1日に1歳馬となるわけですが、0歳馬のことは当歳馬と呼ぶのが一般的です。

以前は競走馬の年齢は、生まれた時点で1歳とする、いわゆる数え年で表記でしたが、2000年に現在の形になりました。

サラブレッドは競争馬になるために、牧場やトレーニング施設で育成や調教を行い、2~3歳のデビューを迎えます。

競争馬は何歳まで走れる?

競争馬は通常2~3歳の新馬戦でデビューして、競争生活をスタートさせます。

順調に出世してG1を勝利する馬もいれば、未勝利を勝ち上がること無く競争生活を終える馬もいて、その生涯は様々ですが、出走できなくなる年齢というのはありません。

大人気だったファミコンソフト「ダービースタリオン」では、10歳になるとレースに出走できなくなるため、実際の競馬でも年齢制限があると思っている人がいるようですが、そのようなルールはありません。

しかしながら、高齢になればその能力はどうしても衰えていくので、多くの馬は6~7歳位で競争生活を終えることになります。

馬齢による制限のあるレース

競馬では、出走する馬齢が限定されているレースが多くあります。

まず2歳から3歳の6月までは、同い年同士のみのレースが編成されます。

G1を例に取ると、

2歳G1→阪神ジュベナイルステークス、朝日フューチュリティステークス、ホープフルステークス

3歳G1→桜花賞、皐月賞、NHKマイルカップ、オークス、ダービー、秋華賞、菊花賞

これらのレースに馬齢の制限があります。

この内、3歳G1の桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞はクラシックレースとも呼ばれています。

3歳の夏になると、3歳馬と4歳以上の馬(古馬といいます)が混合で走るレースが編成されます。

古馬のG1レースも、4歳以上のレースだったものが、安田記念以降から3歳以上のレースとして実施されます。

これらの混合レースは、馬齢による能力差があるとの考えから、負担重量に差がつけられています。

馬齢と負担重量

負担重量というのは、競争馬がレースの際に負担しなければならない重量のことで、斤量とも呼ばれますが、騎手と馬具を含めた重量を指定された重量にしなければいけません。

具体的には負担重量が57キロであれば、騎手と馬具+調整分の重りをつけて57キロになるように調整することになります。

この負担重量は一定ではなく、レースによって馬齢、定量、別定、ハンデ戦などの種類があります。

それぞれの詳細はここでは説明しませんが、同一レースに馬齢が違う競争馬が出走する例を紹介すると、

宝塚記念→定量(3歳53kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減)

天皇賞・秋→定量(3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減)

有馬記念→定量(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)

などがあり、同じ定量でも違いがあります。

開催時期も関連していますが、斤量に差がつくということは、馬齢によって競争能力に差があると判断されていることになります。

馬齢と競争能力の関係

サラブレッドの全盛期は何歳くらいか?というと個体差があるので一概には言えないのですが、4歳秋ごろにピークを迎えるというのが一般的な意見のようです。

アカデミックな情報では、2011年にアメリカで発表された研究結果のグラフが参考になると思います。

グラフを表示

調査方法については割愛しますが、このグラフを見ると、競争能力は2歳から4歳にかけて急激に成長し、4歳半ばででピークを迎えた後、6歳を迎えた頃から徐々に低下していくことがわかります。

繰り返しますが個体差がありますので、固定観念として馬齢と競争能力を結びつけるのは馬券予想に弊害があります。

参考までに記憶する程度で良いと思います。

まとめ

競争馬の年齢についてまとめてみましたが、馬券戦略的に大事なことは、「馬齢により負担重量が変化する」ということを把握することです。

負担重量の詳細については別途記事にして見たいと思っていますが、競争馬の能力は馬齢による成長曲線があり、その値には個体差があるということを認識することが大切です。

ハンデ戦などは馬齢を無視した負担重量になっていますし、予想ファクターの中で負担重量が最重要というわけでは無いのですが、知識として馬齢と負担重量の関係を知っておくことは必用でしょう。

ファン心理としては、自分が大好きな馬はいつまでも現役でいて欲しいというのが本音で、ずっと追いかけていた馬が高齢になっても活躍して、馬券を的中したときの喜びは格別です。

経済動物と呼ばれ、入れ替わりの激しい世界で戦っているサラブレッドですので、競争馬として活躍している期間は、尊敬の念を持って応援したいと思っています。

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