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競馬の負担重量どう決まる?斤量の仕組みとレースでの影響

競馬の負担重量とは、競争馬がレースで負担しなければならない重量、イコール騎乗する騎手の重量のことで、出馬表によっては斤量と表示されているものもあります。

騎手の重量といっても体重のことではなく、鞍などを含めた総重量を決められた負担重量にするように重りを使って調整します。

テレビの競馬中継でレース後に騎手が検量(後検量)している映像が見れることがありますが、指定された負担重量を守れているかレース前とレース後に検量を行います。

レース前の検量後に重りを外すなどの不正を管理するためですね。

この競馬の負担重量ですが、レースごとに決められていて、負担重量別だと

・馬齢
・別定
・定量
・ハンデ

という種類のレースがあります。

各種類ごとに負担重量のルールがありますが、まずは種類ごとに負担重量についてまとめてみます。

・馬齢戦

競争馬の年令によって負担重量を定める方法で、具体的な重量は以下のようになっています。

2歳9月まで 2歳10月から12月まで 3歳9月まで 3歳10月から12月まで
牡及びせん馬 54kg 55kg 56kg 57kg
54kg 54kg 54kg 55kg

馬齢戦は2歳、あるいは3歳の同一年齢どうしのレース時のみに用いられます。(2歳戦、3歳戦がすべて馬齢戦という意味ではありません)

昔は有馬記念が馬齢重量戦で施行されていたので、4歳以上の馬にも馬齢重量が設定されていましたが、現在ではこの形態になりました。

余談ですが当時の馬齢重量は、現在の年齢表記(当時は満年齢)で4歳馬が57kg、5歳馬が56kg(牝馬は2kg減)でした。

競争馬の能力が、4歳時にピークを迎えて、その後下降していくという考えで馬齢重量が設定されていたのでしょう。

競争馬のピークは個体差があるので年齢だけで負担重量を決めるのは乱暴な気もしますが、競争馬の成長曲線が加味されて負担重量が決められるということは理解しておいたほうがいいでしょう。

ちなみに現在の有馬記念は定量戦となっています。

別定戦

別定戦は現在のプログラムでは最も多く施行されている形式で、レースごとに負担重量を決定する基準が設けられています。

馬齢を基本に収得賞金や勝利度数などによって負担重量が決められます。

定量戦

定量戦はG1レースによく用いられるので知っている方も多いと思います。

例をあげると、有馬記念は3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減、天皇賞秋の場合は3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減となっています。

上記のように、定量戦といってもレースが違えば負担重量も違うことがあります。

ハンデ戦

ハンデ戦(ハンデキャップレース)は、JRAのハンデキャップ作成委員(ハンデキャッパー)が負担重量を決定する形式のレースです。

「出走予定馬の実績や最近の状態などを考慮し、各出走馬に勝つチャンスを与える」という目的で負担重量が増減されます。

ハンデ戦は海外にもある形式のレースですが、日本のハンデキャッパーは非常に優秀だそうで、実際にハンデ戦ではゴール前の激戦になることが多く見受けられます。

馬券的にも荒れる要素が高いということで人気ですが、予想の難易度が上がることは否定できません。

※南半球産馬の場合は出生時期が半年ほど違ってくるので、すべての種類のレースで月齢に応じた減量が設定されています。

以上負担重量別のレースについてまとめてみましたが、実際のレースでの負担重量は出馬表を見ればわかるわけですから、仕組みについて詳細に理解する必用はありません。

おおよその枠組みを知っていれば十分ですね。

問題はその負担重量が、レースの結果にどう影響するのかという部分が馬券予想に関連する部分なので、負担重量がレースに与える影響を考察してみます。

・負担重量の影響

負担重量とタイム

まずは負担重量が走破タイムに与える影響ですが、私が使っている西田式スピード指数の場合、斤量1kgが指数上の価値で「2」として計算されます。

西田式スピード指数では指数上の計算で0.1秒を「1」として指数化します。

斤量の計算は1kgを2として計算しますので、斤量が1キロ軽くなれば0.2秒早く走れるという考え方で計算されています。

この1kg=0.2秒というのは一般的に言われている数値ですので、その数値をそのまま指数に反映させていると思われます。

スピード指数に興味のない人は、そんなに簡単に数値化なんてできないと言われるかもしれませんが、斤量の増減をタイムに換算するという考えは、能力比較において有効な方法でしょう。

スピード指数の中に負担重量も加味されているということになれば、斤量も予想に反映されるということになりますからね。

芝、ダート、距離別の負担重量の影響

芝やダート、あるいは短距離や長距離で、負担重量がどう影響するのかということですが、これに関してはいろいろな考え方があるようです。

芝の瞬発力勝負だと斤量が影響しやすいだとか、ダート戦は斤量は気にしなくて良いということを聞いたことがありますが、データとして傾向が出ているわけではないようです。

データを解析すればある程度の傾向は判断できると思われますが、個人的にはあまり競争条件別の負担重量の影響は馬券予想には反映しないので、詳しくないというのが本当のところです。

いつか暇があったらデータ解析します、ごめんなさい。

競争馬ごとの負担重量の影響

芝、ダートや距離などの条件は負担重量の影響をあまり考えませんが、この競争馬ごとの負担重量の影響はけっこう気にします。

先程の1kg=0.2秒というタイム換算が正しいとしても、個体差というのは絶対に生じるはずです。

つまり負担重量の影響が大きい馬と、そうでない馬がいるということですね。

重い斤量を背負うと成績が悪くなることを「カンカン泣きする」などともいいますが、競争馬のデータを縦の比較で見ていくと、「好走時は斤量が〇〇以下だった」、「〇〇kg以上の斤量のときは好走できない」というようなデータが見つかることがあります。

このようなデータは予想上非常に有用ですので、ハンデ戦のときなどは特にチェックしてほしい項目です。

まとめ

以上、負担重量別のレースの種類と、負担重量がレースに与える影響をまとめてみました。

記事中にも書いていますが、レースでの負担重量は出馬表を見ればわかるので、負担重量決定のルールを覚える必要は全くありません。

どんな種類のレースがあるのかを、知識として知っていれば十分でしょう。

負担重量がレースに与える影響については馬券にも関連することなので、個人的にはけっこう気にすることも多いです。

私の予想ファクターの中では重要度は高くありませんが、確認しないで馬券を買うことはありえませんし、ハンデ戦であればその重要度は上がってきます。

減量騎手が乗ってきたときなどもそうですね。

ハンデ戦の斤量や減量騎手とレースの関係については、馬券戦略的に面白いテーマでもありますのでまた別の記事でまとめようと思います。

競馬の負担重量はレースの結果にも、そして馬券の成績にもつながりますから、自分なりにデータを検証していくと大きな馬券を的中させることがあるかもしれません。

騎手は減量が辛い人も多いので、「〇〇騎手が52kg以下でハンデ戦に乗ってきたら勝負!」という買い方も有効な馬券術でしょう。

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