競馬には、スピード指数という予想ファクターがあるのをご存じの方は多いでしょう。
競馬のレースでは各出走馬の走破タイムが結果としてデータに残ります。このタイムが早ければ競争能力が高いと言えないわけでもないのですが、走破タイムはいろいろな要素が結果に反映するので、単純にタイムを比較しただけでは実際の競争馬の優劣は測れません。
そこで走破タイムを単純比較するのではなく、距離やコース、馬場状態などを含めて指数化したものが競馬のスピード指数と言われるものです。
タイムを数値化するということで計算を必用としますから、パソコンを使った予想と相性がよく、スピード指数を使った予想法やパソコンソフトは多く出回っています。
私の場合も予想のメインファクターはスピード指数になる場合が多いです。使い始めてから20年以上経過しているので、もはや無くてはならないものになっていますね。
かと言ってスピード指数1位の馬が必ず勝つわけでもないですし、昔ほどスピード指数の重要性は低くなってきたと言われています。それでも能力比較が数値で見れるというのは便利ですし、何の策略もなく予想するよりは的中率はあがります。
そういうわけで私が予想に使っている方法を含め、競馬のスピード指数についてまとめてみました。
スピード指数の算出法
先に書いたようにスピード指数を使った予想法は色々あり、計算方法もそれぞれ違います。計算方法自体全く公開されていないものもありますが、ここでは私が昔から使っている西田式スピード指数の計算方法を見てみましょう。
スピード指数= (基準タイム-走破タイム)×距離指数+馬場指数+(斤量-55)×2+80
という計算式からなり、この指数をレース毎の全出走馬の過去の成績から算出して、比較しながら予想をしていきます。
こんな面倒な計算できねーよ!って思うでしょうが、スーパーパドックというパソコンソフトを使えば自動で計算して表示されます。
基準タイムや馬場指数などの詳細は、西田式スピード指数のオフィシャルサイトに詳しく説明されていますので興味がある方は参考にしてみてください→西田式スピード指数 Official Website
スピード指数を使った予想
それでは例として、スーパーパドックの出馬表を使って予想してみます。
上の画像は2017年3月20日の中京競馬11R、夢見月ステークスの出馬表です。
詳しい数字の説明は省きますが、馬柱の部分にスピード指数が書いてあるのがわかると思います。
西田式スピード指数では、前走のスピード指数を今回の斤量で調整した値(調整値ランクに書かれた値)を、高い順にA、B、C、Dに分類し、2~4走前のスピード指数の値の高い順にX、Y、Zに分類します。
平均ランクというのは指数の平均値が高い順で、これらのスピード指数が高い馬を中心に予想を組み立てます。
この出馬表を見ると、スピード指数的にはAXの13番のコウエイエンブレム、BYの3番のスーサンジョイ、Cのキタサンサジン、DZの9番のブライトラインが上位です。
レースの着順は右の欄に書いてありますが、配当はこうなりました↓
馬連1,810円、3連単9,080円なら悪くない配当だと思います。
本来の予想では、ここから様々な要素を含めて考えて行くので、必ずしも指数上位馬を買うわけではないですし、結果も指数通りになるとは限りません。
このレースは指数通りに決まったので、わかりやすい参考レースとして取り上げましたが、ここ迄極端でなくても、スピード指数上位馬が全く馬券に絡まないレースというのは稀です。
配当面でも、スピード指数上位馬の馬券で高配当がゲットできたという例はいくらでもありますからね。
スピード指数の限界
スピード指数というのはレースに出走した競争馬が、全力で走りきることが基本的な考えになりますが、走破タイムの結果には様々な要因が関わってきます。
スピード指数が最も苦手とされているのが、レースのペースがスローになった場合の指数です。スローペースのレースでは、前半に各馬が牽制しあってペースが上がらず、ラストの数ハロンだけ全力で走るという展開になります。
こういうレースでは前半のペースが遅かった分、走破時計も遅くなるので、スピード指数は低く出てしまいます。
また出遅れや、レース中の不利など、突発的な指数低下の原因は色々とあります。
単純に走破時計と馬場状態からスピード指数を算出する方法では、これらの要因には対処できないというのが事実です。
中にはペース補正を行ったり、デジタルでは補正できない部分を人の判断で補正しているスピード指数もありますので、今回紹介した西田式スピード指数以外にも、いろいろ使ってみると良いかもしれませんね。
まとめ
スピード指数の基本的な考え方をまとめてみましたが、馬券予想方法で最も大切なものが出走馬の能力比較だと思いますし、その能力を数字で簡単に比較できるスピード指数というのは大変便利です。
人気のある予想ファクターですからいろいろな理論があり、どの指数が信頼できるかというと結論は出ないんですが、私の使っている西田式スピード指数は、基本的な能力比較を行うには十分な情報です。
逆に言うと、すべての要素を無理に指数化するより、スピード指数以外のファクターは自分であれこれ考えながら予想するというのが、私には合っているようです。長年競馬をやっていると、スピード指数では決まらないレースというのもなんとなくわかってきますしね。
冒頭にスピード指数の重要性は低くなったと書きましたが、スピード指数では儲からなくなってきたというのは事実です。
これは指数上位馬の人気があがり、オッズが低くなったというのが原因で、それだけスピード指数が競馬予想に与える影響が大きくなってきたことを意味しています。それでも馬券は的中しなければ配当は無いのですから、競馬初心者の方は特に使ってほしいファクターであることは間違いありません。
巷にあるすべてのスピード指数理論を研究したわけではないのですが、人それぞれ自分の予想に合うもののがあるかもしれませんし。
あっと驚く高配当を的中できることも夢ではないので、ぜひ予想ファクターの1つにスピード指数を加えることをおすすめします。