競馬の予想ファクターというのは曖昧な言葉ですが、競馬予想の判断に用いる情報やツールなどといったらわかりやすいでしょうか。一言で予想ファクターといっても様々なものがありますし、一つのファクターで予想が決定されるということも無いでしょう。
ほとんどの馬券購入者は、複数の予想ファクターを参考、分析しながら馬券の買い目や購入金額を決定していますし、その要素は複雑に絡み合いながらそれぞれの馬券購入方法を確立していくものと思います。
少し回りくどい表現をしてしまいましたが、簡単に言うと何を頼りに馬券の予想をしているの?ということになります。
馬券収支がプラスの人は、この予想ファクターから馬券購入につながる一連の判断に優れていることは確かですが、どのようなファクターに比重を置いているかというのは気になるところです。
結論を言ってしまうと、ちゃんと勉強して自分に合ったものを選びましょうということなんですが、一般的に用いられていて、私も重要視している競馬の予想ファクターをまとめてみました。
出走馬の能力を知るためのファクター
まず最初に競争馬の能力を知るためのファクターを紹介します。
競走成績
競争馬の実力を把握するためには競走成績を知ることが大事です。
実際にレースに出走した結果ですから、その内容は競争能力が反映されていることは間違いありません。
競争能力が高い馬が必ずしも勝つわけではありませんが、競馬予想の基本は出走メンバーの能力比較が基本です。
レース結果はいろいろな要素で着順が変わりますし、それらの要素を含めて総合的に予想しなくてはいけませんが、まずは競馬新聞等から競走成績を調べることが予想の第一歩だと考えます。
競争成績と言っても着順や走破タイムなど、競馬新聞の馬柱だけでも多くの情報が知ることができますので、自分なりの能力比較の基準は持っていたほうが良いでしょう。
タイム系理論
単純な走破タイムの比較ではなく、馬場状態などを加味してタイムを指数化する、スピード指数と呼ばれるタイム系の能力比較方法はもはや一般的で、パソコンの普及にともなって急速に進化を遂げています。
走破タイム等の数字から能力を知る方法ですから、パソコンとは非常に相性がよく、現在は最も広く予想に反映されているのではないかと思われます。
パソコンなど全く使えない馬券オヤジは、「指数なんて関係ね~よ」などという人もいますが、そのオヤジが大好きな競馬新聞の◎は、スピード指数を加味して予想されているなんてのはよくある話です。
計算方法の詳細が公開されていないので断定はできませんが、中央競馬が提供しているJRA-VANのデータマイニングや、日刊競馬のコンピ予想なども基本はタイム系理論だろうと思います。
このように、タイム系理論は競争馬の能力比較法としてはポピュラーな方法ですので、一般に知られている方法だけでも数多くの理論があります。
どの方法が一番正しいということは無いのですが、自分が使いやすいタイム系理論を自分の予想ファクターの一つに組み込むことは非常におすすめです。
人気
人気=能力と捉えるのは間違いだと思いますが、我々が知り得る最も確度の高い能力比較情報が人気、あるいはオッズだと私は考えています。
「なんでこの馬が1番人気なの?」なんてレースもちょいちょいあるので、すべてのレースが人気で能力比較できるわけではないのですが、例えば1番人気の勝率は毎年ほとんど変わらない数字が出ます。
2番人気、3番人気の勝率も同様で、人気が高いほど勝率も高くなります。人気というのは馬券が多く売れた順に高くなるので、すべての馬券購入者の予想のトータルが、競争馬の能力比較として人気やオッズに現れると言い換えても良いでしょう。
人気と勝率の関係はいずれまとめたいと思いますが、人気が高いほど勝率は高いということは基本として覚えて置くべきでしょう。
出走馬の適正を知るためのファクター
次にに競争馬の適性に関するファクターを紹介します。
血統
サラブレッドの血統は奥が深いのでここで詳細は書きませんが、予想に関わる適正というのは血統からも判断できる要素があります。
例えば距離適性やダート適性などですね。その他にも早熟や晩成の血統などもあり、それらをファクターとして予想している人も多いでしょう。
適性以外でも種牡馬実績から考える方法もありますし、血統を意識して予想に活かしている人は多いと思います。
ダービースタリオンなどのゲームから競馬ファンになった人って、血統にこだわる傾向が多いような気がします。
コース・距離適性
血統でもコースや距離適性が偏ることもあるのですが、競争馬それぞれにある得意、不得意がコースや距離、馬場状態などに現れる場合があります。
わかり易い例だと新潟芝1000mのスペシャリストとかですね。
距離の適性は競争馬ごとに顕著に現れることが多いですし、芝やダート適性はもちろんのこと、右回り、左回りの得手不得手、洋芝が得意な馬や、重馬場が得意な馬など、状況に合わせて予想に組み込んでいかなければ行けません。
これらの情報は競馬新聞やネットから得られるものが多いですが、予想に活かせる形で情報を自分でストックしていくことも必要になると思います。
出走馬の状態に関するファクター
次は出走馬の状態(体調等)を知るためのファクターです。
パドック&返し馬
パドックで周回する競争馬の動きから、その状態を知ることが可能です。
仕上がり具合を含めた馬体の良し悪しや歩様、イレ込み具合などからそ、そのレースで発揮できるであろう能力を判断したり、他の馬との比較をパドックで判断します。
返し馬とは、本馬場に入場してからのウォームアップのようなもので、このときの動きや騎手と折り合いを見ることで状態の判断につながります。
実際のところ、パドックと返し馬で馬の状態を判断するのはベテランの競馬ファンでも難しく、完璧に判断することは難しいでしょう。
競馬場に行かないと、本当の意味でパドックや返し馬から状態を判断できませんし、毎週のように継続してパドックを見ておかないと、前走と今回の比較はできません。返し馬も同様ですね。
そういう意味からはパドックと返し馬から状態を判断するのは一般の競馬ファンには難しいですし、私個人的にはパドックは見れるときだけちょっと参考にする程度です。
あとはプロである解説者のパドック診断を参考にする方法もありますけど、誰のパドック診断が参考になるとかは人それぞれ個人差が出ると思いますけどね。
調教
調教は競争馬のトレーニングですから、そのトレーニングの様子から馬の状態をある程度判断することは可能でしょう。
ただし一般の人が競争馬の調教を見るのは現実的ではありません。これもプロの記者(トラックマンと呼ばれる調教の取材を担当する人)が発信する情報を取得することで知ることができます。
競馬新聞等の中には、調教に関するデータが必ず記載されています。
いつ、どのコースで調教して、調教タイムはどれくらいだったのか?単走か併せ馬か、馬なり調教なのか一杯に追ったのか?などの情報はどの新聞でも記載されていますし、その時の動きから判断できる馬の状態も書いてあることが多いです。
しかしこの状態判断に関しては記者の主観が入った情報になりますし、絶対的に信頼しても良い情報とは言えません。
私の場合は、お気に入りの新聞の調教欄を参考程度に利用しています。
馬体重
馬体重は大幅に変動しても平気で勝ってしまう馬もいますから、その上下動で必ずしも馬の状態が判断できるとは思っていません。馬体重の発表をするのは日本の競馬だけだそうですから、海外では重要視されていない情報ですね。
それでも実際のレース結果には、前走で大幅に増やした馬体を今回減らしてきたことで好走できた、なんてことはよくあることですし、個人的にはできればチェックしたいファクターではあります。
でも馬体重ってレースの数時間前にしか発表しないので、前日や、朝のうちに馬券を買ってしまうときには知ることができないのは残念ですね。
その他のファクター
競争馬の能力、適正、状態以外のファクターで、最も重要なファクターは騎手でしょう。
競馬は馬7騎手3などといわれることもあり、もっとも重要なのは馬の方であることは同感ですが、騎手の巧拙で着順が変わることがあるのも事実です。
外国人ジョッキーや地方競馬出身のジョッキーなどが中央競馬で大活躍し、それらの騎手に良い馬が集まるという現状は疑問なところもあるんですが、馬券を当てるという目的がある以上、上手い騎手の馬券を買うのは当然でしょう。
実際の実力と成績がイコールであるとは限りませんが、迷ったら成績上位の騎手を買うというのはありだと思います。
長く競馬を続けていれば、素人なりに騎手の巧拙がわかってきますし、自分と相性が良い騎手というのも出てくるのが楽しみの一つでもあります。
資金配分のためのファクター
予想ファクターはこれまで上げたものの他にもいろいろなものがありますが、これは必ずチェックするべきというのがオッズです。
オッズ
オッズが予想ファクターというと違和感があると思いますが、私の場合買い目を決める予想とは別に
馬券購入するレースを選択するときにオッズが影響します。
自分の買いたい馬券が人気で、期待ほとの配当がつかないときなどは馬券を買わないという手法もありますし、あえて安い配当の買い目を外すということもあると思います。
個人的には購入レースの選択、配当に合わせた資金分配など、実際に馬券を購入するときにはオッズと無関係に購入することはありえないです。
まあ、デカい配当に目がくらんで馬券を外すと、オッズなんか見なきゃよかった…なんてことはよくあるんですけどね。
まとめ
私が予想に使用している主なファクターを中心にまとめてみましたが、競馬予想にはまだまだいろいろな要素があります。
タカモト式などのサイン馬券であったり、誕生日の数字で遊びで購入したり、そもそも自分で予想しないで予想会社から指示された買い目を買うだけの人もいますからね。
それらも立派な馬券術の一つですが、私が考える予想の基本はやはり競争馬の能力がメインで、その他の要素が複雑に絡み合って勝敗が決するという考えですので、サイン馬券などは興味がありません。
また、自分で色々考えて予想するのが競馬の最も大きな楽しみなので、予想を買ったり、他人の予想をそのまま馬券にするなんてこともありません。
「競馬は最高の推理小説である」というのは伝説の予想家、大川慶次郎氏の言葉ですが、自分の推理(予想)が的中することの喜びは何にも代えがたい、そしてお金まで儲かるんだからやめられないというのが私の本音です。